CULTIVAR PROFILE
アーチペル
イチジクの品種 / Archipel

アーチペル(Archipel) は,19世紀のフランスの園芸文献に記録されている歴史あるイチジク(Ficus carica L.)の品種である.
果皮は黄緑色から赤褐色,ブロンズ色へと変化し,果肉はクリーム色から淡い桃色を呈する.果実は60〜70g程度の中果であり,強い甘味と豊かな香りが特徴である.
日本国内では,高糖度のイチジク品種として紹介されることが多く,樹姿が比較的コンパクトであることから,鉢植え栽培にも適している.
また,「オズボーン・プロリフィック(Osborn’s Prolific)」などの名称でも知られる品種であり,品種の歴史をたどると,ヨーロッパとアメリカのイチジク栽培の発展にも関係している.
イチジク研究者Ira J. Conditが1955年に発表した『Fig Varieties: A Monograph』によると,1854年にフランスのAudibert Frèresが「Archipel」という品種について記述している.その後,イギリスやアメリカにも導入され,複数の名称で流通するようになった.
特に,1878〜1879年頃にイギリスのOsbornという育苗業者によって紹介された系統は,「Osborn’s Prolific」と呼ばれた.Prolificは英語で「多産な」「豊富に実る」という意味であり,その豊産性を表す名称である.
Conditの研究では,カリフォルニア州で栽培されていたArchipelとOsborn’s Prolificが同一品種であると判断されている.さらに,Hardy ProlificやFigue Griséなども同一品種として扱われた.
品種情報
- 原産地・来歴
- フランス
- 果実サイズ
- 53.2g(実測値)
- 糖度
- 14.8%(実測値)
- 甘味
- 強い甘み
- 味
- 強い甘味と豊かな香り.果肉は柔らかく,十分に完熟すると滑らかな食感となる.また,果皮が薄いため,皮ごと生食できる.


