CULTIVAR PROFILE
ミツユキ 蜜雪
マンゴーの品種 / Mitsuyuki

◯蜜雪マンゴー(高雄4号)とは
蜜雪マンゴー(高雄4号)は,台湾の高雄区農業改良場によって育成されたマンゴー品種である.
高雄区農業改良場が育成した「夏雪(高雄3号)」に続く育成品種であり,2012年に品種として発表され,2013年に25年間の品種権を取得した.台湾の公的育種マンゴーの中でも,将来の輸出向け品種として大きな期待を集めている品種である.
◯来歴
蜜雪は,当初「愛文と夏雪の交配種」と紹介されることがあるが,正式にはそうではない.
高雄区農業改良場の公式資料によると,蜜雪は愛文(Irwin)の天然雑交実生から選抜された品種である.つまり,母親は愛文であることが確定しているが,父親は不明である.
そのため,蜜雪は「愛文の進化版」あるいは「改良型愛文」と表現されることも多い.
◯育種目標
蜜雪が育成された背景には,台湾マンゴー輸出の課題があった.
当時,台湾の輸出用マンゴーの主力は愛文であったが,
・炭疽病に弱い
・日持ちが短い
・輸送中に品質が低下しやすい
という欠点が存在していた.
そこで高雄区農業改良場は,
・愛文に匹敵する食味
・より優れた保存性
・高い病害抵抗性
・輸出に適した品質
を兼ね備えた新品種の育成を目指したのである.
果実の特徴
蜜雪は中果型の品種であり,果重は300〜450g程度である.
果皮は成熟すると美しい桃紅色に着色し,愛文よりも淡く柔らかな色合いを示す.その外観は水蜜桃を思わせることから,「桃色マンゴー」と呼ばれることもある.
果肉率は70〜75%程度であり,愛文と同等かやや高い水準にある.
果肉と食味
果肉は濃黄色で,非常にきめ細かい.
繊維は少なく,滑らかな口当たりを持つ.愛文よりも肉質は細かく,ややもちっとした食感を感じることもある.
糖度は13〜17°Brix程度であり,試験によっては平均16.5°Brixを記録している.これは比較対象となった愛文の14°Brixを上回る値である.
また,果梗部から漂う上品な果香も特徴であり,愛文の華やかな香りとは異なる,柔らかく清涼感のある香りを持つ.
保存性と病害抵抗性
蜜雪最大の特徴は,その優れた保存性にある.
室温保存試験では,収穫後7日経過時点での炭疽病発生率は25%であり,同条件下の愛文では100%が発病していた.さらに12日後でも病斑の拡大は比較的小さかった.
また,
* 炭疽病に比較的強い
* 日持ちが長い
* 輸送性に優れる
という特徴を持つため,輸出向け品種として高く評価されている.
収穫時期
台湾南部では主に6月から7月に収穫される.
成熟期は愛文とほぼ同時期であるため,愛文に代わる高品質品種としての利用が期待されている.
総評
蜜雪マンゴーは,
* 愛文に匹敵する食味
* 愛文を上回る保存性
* 優れた病害抵抗性
* 美しい桃紅色の外観
* 高い輸送適性
を兼ね備えた台湾の新品種マンゴーである.
夏雪が「土マンゴーの香りを追求した品種」であるならば,蜜雪は「愛文をより洗練し,輸出向けに進化させた品種」と言える.
今後,台湾マンゴー輸出を支える重要品種の一つとなる可能性を秘めた,極めて完成度の高いマンゴーなのである.
品種情報
- 原産地・来歴
- 台湾
- 果実サイズ
- 300〜450g程度
- 糖度
- 13〜17°Brix程度
- 甘味
- 強い甘味.
- 酸味
- ややあり.
- 味
- 優しい甘さで,くせが全くない絶品品種.
アーウィンよりも香りが強く,やや蜂蜜のような風味.
糖度も高く, - 食感
- 繊維がなくとても滑らか.
- 香り
- 香りがとにかく良い.フローラルな香り,
- けんゆーコメント
- 全体的に,アーウィンに似てクセのない素晴らしいマンゴー.
ただ,香りが強くとても芳醇であった.
アーウィンをさらにフローラルにしたような最高級品種.
ぜひ,台湾に来たら食べてほしい.


